由緒
頓宮は、明治四年、円山の地に鎮座した札幌神社 (現在の北海道神宮) が
市街地と遠く離れ、かつ冬期間積雪等により参拝が困難になることから、
明治十一年、中川源左衛門寄進の南二条東三丁目の地に、
神道中教院・神道事務分局と兼用する形で、
札幌神社遙拝所として設置されました。
明治十五年四月には、
札幌中教院・神道事務分局は廃されましたが、
この後も札幌神社遙拝所として
当時の札幌市民全八〇〇戸の
崇敬を集めたと記されています。
明治十四年から三十年までの十六年間は、
この遙拝所で札幌神社社務所の事務が執られ、
祭典のみ円山の本社で執り行われた時代もありました。
その後、遙拝所は明治三十四年九月一日に
失火で消失しましたが、
同四十三年札幌神社の造営を機に、札幌祭典区は
大竹敬助、助川貞二郎、隅土次郎等を代表として、
明治十一年に造営された札幌神社拝殿の古材の払下げを申請し、
本社神輿渡御の御旅所として社殿造営に着手し、
明治四十三年十一月十七日、頓宮と名称を定め
札幌祭典区から札幌神社に社殿が奉納されました。
戦後、頓宮に札幌神社の御分霊を祀り、
地域の守護神としたいという、第七東祭典区の氏子の要望により、
昭和二十二年九月三十日、御分霊を奉斎し札幌神社末社となりました。
尚、昭和三十九年九月二十一日、札幌神社に明治天皇を増祀し、
札幌神社が北海道神宮と改称されるに伴い、
頓宮も北海道神宮頓宮として今日に至っております。
御祭神
大国魂神
開拓三神の一つ。北海道の国土の神。
国魂神(くにたまのかみ)の別名です。国魂神は国の御魂の神、国霊、大地守護の神です。
単に大国魂神・大国御魂神という場合は、日本(大和)の守護神を意味します。
大那牟遅神
開拓三神の一つ。国土経営・開拓の神、大国主神と同神。
大黒様としても知られ、因幡の白兎の話でも有名な大国主神(おおくにぬしのかみ)の別名です。大国主神とは大国を治める帝王の意味です。国造りの神、農業神、薬神、禁厭の神ですが、縁結び・福の神として親しまれています。
少彦名神
開拓三神の一つ。国土経営・医療・酒造の神。
大国主の国造りの時に波の彼方より天乃羅摩船に乗ってきた神。
国造りの神、農業神、薬神、禁厭の神、温泉の神です。
道後温泉が開くきっかけとなったともいわれています。
明治天皇
近代日本の礎を築かれた第122代天皇。
日本の開国を実行して西洋列強に劣らない日本の基礎を作り上げられました。明治45年に崩御されましたが、東京の明治神宮にお祀りされています。昭和39年、明治天皇の御増祀(ぞうし)により、「札幌神社」から「北海道神宮」へと改称されました。
御利益
縁結び・恋愛成就
北海道神宮頓宮は、特に縁結び・恋愛成就のご利益がある神社として有名です。鳥居を入ってすぐお迎えしてくれる一対の狛犬様を撫でてからお祈りをすると、良縁・恋愛成就のご利益を受けれると言い伝えられています。狛犬様を撫でて、ご利益をいただきましょう。
子宝祈願
もう一つの有名なご利益が子宝です。子宝には、社殿のすぐ手前に鎮座する、北海道最古の一対の狛犬様を撫でましょう。一対のうち、左手の狛犬様には、かわいい小さな狛犬様が一緒に佇んでおります。子どもの狛犬様が親の狛犬様に戯れていることから、子どもを大切に育てる狛犬様として、撫でると安産や子授かりにご利益があるとされています。